マーケティングにおける便利な手法「ペルソナ設定」とは?

自社の商品やサービスを売るために練るマーケティング戦略。そんなマーケティングの現場ではよく使われる手法が「ペルソナ設定」です。ただ、実のところペルソナについて詳しく理解していないという方も多いのではないでしょうか。今回は、マーケティングにおける「ペルソナ」について解説します。ペルソナ設定の基本から、メリットや注意点などをご紹介します。

ペルソナとは?

マーケティングにおけるペルソナとは「架空のユーザー像」のことをさします。ユーザーとなる人物がどのような人なのかをペルソナとして具体的に設定することで、ユーザーのニーズを考えやすくするのです。ペルソナは、マーケティング戦略の基本的な手法と言えます。

「ターゲット」との違いとは?

マーケティングでは、ペルソナと似た「ターゲット」というワードがあります。ただ、両者は似ているようで異なるものです。ターゲットは「20代女性」や「30歳~40歳のサラリーマン」というように、一定の範囲で設定します。これに対してペルソナは、ターゲットとなる「一人の人物」をイメージし、その人物の年齢、性別、居住地の他、趣味や人間関係、生活パターンといった詳細なプロフィールを考えるのです。

どのような設定が必要か?

ペルソナでは、例えば以下のような設定を行います。

  • 年齢:25歳
  • 性別:男性
  • 居住地:東京都豊島区在住、一人暮らし
  • 職業:IT系エンジニア、入社3年目
  • 年収:300万

ここまでは基本情報です。ペルソナでは、さらに細かい部分も設定していきます。

  • 生活パターン

平日は朝7時起床、8時過ぎに家を出て、徒歩と電車で40分ほど通勤して9時前に出社。19時ごろに退社し、コンビニやスーパーに立ち寄ってから20時過ぎに帰宅。食事はコンビニ弁当や外食で済ますことが多い。0時ごろに就寝。

  • 趣味・交友関係など

趣味はゲームやインターネット。休日は一日中家でゴロゴロ過ごすことが多いが、たまに友人と外へ遊びに行く。同性の友人は多いが、異性の友人は少なく、彼女もいない。

  • 価値観や考え方

趣味や遊びには財布の紐が緩くなりがちで、毎月5万円ほどは趣味に使っている。一方で、興味のないことにはお金を使いたがらない。日々の食事代もできるだけ安く済まそうとするタイプ。

商品やサービスに合った設定もする

これらはあくまで一般的なペルソナ設定です。場合によっては独自の設定項目を盛り込むこともあるでしょう。例えばゲームを開発する会社なら、「どのようなジャンルのゲームを好んでいるか」「どのようなハードやソフトを使っているか」といった項目があるといいかもしれません。商品やサービスにより必要な情報は異なりますから、それぞれの都合に合わせた項目を考えてみてください。

ペルソナ設定のメリット

それでは、このようなペルソナを設定することでどのようなメリットが得られるのかを詳しく解説しましょう。メリットとしては以下のようなものが挙げられます。

よりピンポイントでユーザー視点を捉えることができる

ユーザーが求めている細かいニーズを把握するためには、ユーザーの視点で考えてみる必要があります。しかしターゲットという広い範囲のままでは、ユーザーの視点がなかなか捉えきれません。つまり、ユーザーの立場になって考えやすくするためにペルソナが役立つのです。ペルソナを設定することでよりピンポイントでユーザー視点を捉え、ニーズに合った商品やサービスの開発につなげられます。

メンバーの意思・方向性の統一が図れる

ターゲットという一定の範囲の中では、さまざまな人物が存在します。例えば同じ20代の女性でも、インドア派もいればアウトドア派もいますし、昼間に働いている人もいれば夜に働いている人もいるはずです。もし開発チームのメンバーが、それぞれに異なる人物像をイメージしているとどうでしょうか。メンバー間での認識がずれたままでは意思決定に時間がかかりますし、無駄な作業を生む原因にもなってしまいます。ペルソナを設定することで共通の人物像をイメージできるため、これらの問題を防ぐことにもなるのです。

プロジェクトの迅速化やコスト削減につながる

意思決定を迅速にし、無駄な作業をなくすということは、プロジェクトの進行が速くなるということです。それまで発生していた残業代をカットできれば、コストの削減になるでしょう。時間に余裕ができれば、より議論を深めることで品質を高めることも可能です。ペルソナ設定は、会社全体の利益にもつながっていきます。

ペルソナ設定の注意点

メリットの多いペルソナですが、設定の際にはいくつか注意点もあります。次は、その注意点についてご紹介しましょう。

主観や先入観に注意する

ペルソナはターゲットの中の代表的な人物でなければいけません。ペルソナを中心とした円がターゲットというイメージです。もしペルソナという点が中心部から大きく外れていた場合、失敗する原因になります。そのため、ペルソナを設定する際は個人の主観や先入観に注意しつつ、データなどを根拠にした客観的な視点で考えることが大切です。

粗すぎず、細かすぎない設定を

ペルソナ設定が粗すぎる場合、ターゲットと同じようなざっくりとしたイメージになってしまいます。ペルソナはぼやけてしまわないように、しっかりと固めてください。ただし、逆に細かすぎると分かりにくくなり、設定を把握しきれなかったり、勘違いの原因になったりします。そのため、ある程度情報を絞ることも必要でしょう。

社会の動向に合わせてペルソナも変える

時代と共にユーザーのニーズも変わっていきます。したがって、一度設定したペルソナをずっと使い続けていると、ニーズに合わない時代遅れの商品やサービスになってしまうでしょう。そうならないためにも調査と分析を続け、常にペルソナの更新を行ってください。

マーケティングの現場の問題を解決

ユーザーイメージがあいまいだと、ユーザーの求めるものがいまひとつ把握できず、売り上げにつながらないこともあります。また、チームメンバーのユーザーイメージがバラバラだと、認識の食い違いから意見をまとめるのに時間がかかったり、やり直しが多くなったりしかねません。ペルソナ設定は、そんな問題を抱えるマーケティングの現場に打ってつけの手法なので、ぜひ活用してみてください。